グラスと、コースターのはざまで。 ー大人になったなと感じたときの話ー
ちょっと前までは、飲みものをコースターの上に置くことが嫌だった。
居酒屋さんでコースターの上にビールを置かれても、
カフェでコースターの上にコーヒーを置かれても、
店員さんがいなくなったら、コースターからグラスをそっとどかしてた。
なぜかといわれれば、明確な理由はないんだけど
あの小さな枠の中にグラスを閉じ込めてしまうことが、
嫌だったといえばそうとも言えるのかもしれない。
私自身が小さな枠の中に閉じ込められるのような、気がしたのかもしれない。
なんだか息苦しかった。
それが、最近になってどうでもいいことだって気づいたんだ。
普通に考えれば、コースターの上に飲みものを置いた方が
テーブルは水浸しにならないし。
みんな、普通にコースターの上にグラスを置いてるし。
でも、私はこんな小さな枠の中に収まるのは嫌だっていう、
変な枠に収まっていたんだと思う。
枠に収まってたのは、グラスじゃなくて、私だったんだって。
いつも、そうだった。
枠に収まりたくない、自由でいたいっていう
自分だけの変な縛りに勝手に縛られて、勝手に息苦しくなってた。
これからは、コースターの上に飲みものをきちんと置こうと思う。
そうしたら、テーブルが濡れないし。
そう思ったら、なんだかほっとした。
私、もうコースターの上に飲みものを置いていいんだ。
わざわざコースターからグラスをどかさなくていいんだ。
ああ、なんか私、大人になったな。
雨の日に、はじめましてのごあいさつ。
ことばを扱うお仕事をしているのに、
これまでブログというものからなんとなく距離を置いていた私。
でも、大切な人が「ブログを見てみたい」と言ってくれたので、
雨がしとしと降る今日という日がブログ記念日になりました。
有名な小説の一節みたいなこと、言っちゃった。
癖っ毛の私には、湿気に鬱々してしまうこともあるけれど、
この時期の紫陽花は、やっぱりだいすきです。
こんなところにも、あんなところにも、と思うようなところに
ぽつりと咲いていることがあって、力強い生命力を感じられるから。
お酒のこととか、仏像のこととか、小説のこととか、
スプラッター映画のこととか……
好きなことを、たくさんこのブログで綴っていきたいな。
*1:写真は、紫陽花とお地蔵さまで有名な奈良の矢田寺で。